寺院の黒い汚れの原因はろうそく、灯明を使用した時の油煙がホコリを付着した時に発生します。
それも長時間、積もったままにしていると樹脂化して、黒く固化してきます。
家庭の仏壇の油煙も寺院と同様に汚れてきます。
1、ろうそく
最近のろうそくは洋ろうそくが多いですが、昔は和ろうそくがほとんどでした。
天然植物蝋を原料として伝来の製法で仕上げられた和蝋燭は油煙が少なく、本堂のご本尊や各仏具も汚れにくく、植物油煙のため汚れても早い時期なら、すぐに拭き取りやすいです。しかし、油煙を積みあげたままにしていると、上に他のホコリが混ざってきて、樹脂化されてきます。
2、灯明とは、神仏に供える火のことです。仏教では、闇を照らす智慧の光の意味があるため、供養の中でも大切なものです。
古くは油を使い、油皿を用いて火をともしましたが、近代では、ろうそくや電球を使用しています。
浄火なので、火を消すときは、直接息を吹きかけたりせず、手や扇を用いてあおいで消すようにします。
灯明は自らを燃やすことで周りを照らすことから、自分の身を削って他人のために施す菩薩行の象徴とも言われています。
釈迦は「自らを灯明とし、たよりとし、他人をたよりとせず、法を灯明とし、拠りどころとし、他のものを拠りどころとせず」と遺言したといいます。これは「自灯明・法灯明」という教えです。
3、保存修復作業
昔の残っている金箔を傷めずに、黒い黒煙を除去して、出来だけ金箔を残して作業しました。
特殊なメイクリーン保存修復作業に成功しました。
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